AWSを触り始めて4か月でソリューションアーキテクトアソシエイト(SAA-C03)を取得しました。直前の2週間くらいしか試験勉強をした覚えはありません。私が行ったソリューションアーキテクトアソシエイトの取得方法をご紹介します。認定取得のためだけの学習とならず使える技術が身に付く方法です。
スケジュール
振り返ってみると以下のようなスケジュールでAWSを学習していました。
時期 | 内容 |
---|---|
4か月前 | 参考書を購入 |
4か月前の1カ月 | AWS Technical Essentialsを修了 |
3か月前の1カ月 | Cloud Questのソリューションアーキテクトを修了 |
2か月前の1カ月 | AWSでアプリを作ってみる |
最後の1カ月 | AWS認定 Cloud Practitioner 取得 |
最後の1か月 | 練習問題を解く |
随時 | AWSのイベントに参加する |
最終日 | ソリューションアーキテクトアソシエイトを受験、合格 |
内容解説
参考書を購入
どんな試験でも最も大事だと私が考えているのは最初に概要を把握することです。試験の方式、試験範囲、傾向と対策、学習方法などを最初に把握することで合格の確率はグッと上がると思っています。それらを効率的に把握するには参考書が一番です。
AWSはWebのドキュメントがしっかり整備されていますが、それでも試験の概要を把握するには参考書が手っ取り早いですし、気になった時にすぐに見直すことができます。試験を受けようと思ったらまず参考書を買うことをお勧めします。
ちなみに私が買ったのはこれです。さらっと一読することで試験の概要とポイントを把握しておきましょう。
AWS Technical Essentials
私はAWS認定の知識だけあって、コンソール操作ができない人になるのが嫌だったので実際にコンソールを操作して学習をしたいと考えていました。そこで、参考書で紹介されていたAWS Technical Essentialsをやりました。AWS Technical Essentialsは動画の解説を見てマルチAZ構成のWebアプリケーションを構築するハンズオンです。
動画ではリージョンやアベイラビリティゾーンなどAWSの基礎となる概念から解説してくれて、実際のコンソールの操作方法も確認することができます。コンソールの操作を確認して実際に自分で操作してみることで知識だけではなく技術も身に付けることができます。
AWS Technical Essentialsでは以下のサービスを実際に操作して構築することができます。構築の過程でセキュリティグループやネットワークACLなどのセキュリティ設定や、CIDRやルートテーブルに関するネットワーク設定など座学だけではイメージしにくいところを実際に手を動かすことで理解を深めやすくなります。
- IAM
- VPC
- EC2
- Auto Scaling
- Dynamo DB
マルチAZで可用性を高めた3層アプリケーションはソリューションアーキテクトアソシエイトでは頻出の観点です。1度自分で構築したことがあると自信も付きますし、理解も深まります。
Cloud Quest
クラウド島の住民の困りごとを1つずつAWSのサービスで解決することで学習を進めていくコンテンツです。2024年3月からソリューションアーキテクトのロールが日本語でプレイ可能となっています。ソリューションアーキテクトのロールでは28個のサービスに触れることができます。
1つのクエストは4つのステップで進んでいきます。
ステップ | 内容 |
---|---|
Lean | 動画でサービスや考え方を学びます |
Plan | クエストで扱うシステムの構成を確認します |
Practice | 手順に従いながら実際にコンソールで操作します |
DIY | 残りの課題を自分で解決します |
コンソールはCloud Questが用意してくれます。クエストごとにある程度、環境が出来上がった状態から開始されます。Kinesis FirehoseやAmazon Athenaなど単体で動かすことが難しいサービスなどはサービスが使えるように下準備が済んだ状態の環境が提供されるので対象サービスの学習に集中することができます。
Cloud QuestではAWS Technical Essentialsでは触れなかったサービスを一通り触ることができます。API GatewayやLambdaなどのサーバーレスに関するサービス、Amazon SNSやAmazon SQSなど疎結合を実現するためのサービス、ECSやECRなどコンテナに関するサービスなどなど。AWSを学び始めたばかりの時にはどうやって動かせば良いか分からないサービスも環境を準備してくれて動かすことができます。
変わったところではAmazon Q Developerで生成AIのアシスト機能を利用してコードを書くクエストもあります。まだソリューションアーキテクトアソシエイトで出題は無いかもしれませんが、新しい機能に触れてこんな機能があることを知っておくのは良いと思います。
AWSでアプリを作ってみる
Cloud Questでコンソールを触れるのは良いことですが、ハンズオン形式のため指示のままに操作すればクリアできてしまう点は否めません。そこで自分で簡単なアプリケーションやサービスをAWSで構築してみました。そうすることでAWSを構築する際に気を付けないといけないことが分かってきます。
IAMロールやセキュリティグループを毎回デフォルト設定のまま作ると区別のつかないアイテムが増えて管理が大変なので良く使うものはあらかじめ作成しておいた方が良いとか、API設計から行ったのでAPI Gatewayから作り始めようとしたらAPI作成時にLambda関数を指定する必要があるのでLambda関数から先に作らないといけないなど、ハンズオンでは分からない部分を経験を通して学ぶことができました。
何でも良いので自分の興味のある分野のアプリケーションを作ってみると良いと思います。ちなみに私は生成AIに興味があったのでNotebookLMのようなアプリを作ってみました。
AWS認定 Cloud Practitioner 取得
Cloud Practitionerを先に取得しました。応用情報も簿記2級もそうでしたが、私は前段の資格がある場合は必ず取得してから次に進むようにしています。仮にCloud Practitionerを取得せずにソリューションアーキテクトアソシエイトを受験して不合格だった場合にCloud Practitionerレベルにも足りていないのではと不安にならないためです。Cloud Practitionerを取得していれば前段レベルの知識は有していると安心してソリューションアーキテクトアソシエイトに挑めます。
AWS認定は受験料が高いので強くお勧めしにくいです。しかし、AWS認定は合格すると次回の受験料が半額になるクーポンが付いてきます。ソリューションアーキテクトアソシエイトから取得すると20,000円です。Cloud Practitionerに合格してソリューションアーキテクトアソシエイトを半額で受験した場合、25,000円で2つの認定を取得できます。差額5,000円で1つ余分に認定を取得できるのはお得だと感じました。私は全冠目指す予定なので半額クーポンはとても助かります!
練習問題を解く
ハンズオンと実践でベースの知識は溜まってきたので練習問題を解いていきます。購入した参考書にも練習問題が50問載っていますし、AWS Skill Builderには練習問題(AWS Certified Solutions Architect – Associate Official Practice Question Set (SAA-C03 – Japanese))と公式の模試(AWS Certified Solutions Architect – Associate Official Practice Exam (SAA-C03 – Japanese))があります。
それぞれ時間を決めて一気に解いてみることをお勧めします。1問2分を目安に50問であれば100分をセットして時間内に解く練習をしましょう。問題文と選択肢の文章が長いので集中力を持ってすべての問題を考える練習をしておくのがおすすめです。
ハンズオンと実践だけでは細かい設定の違いやサービスの組み合わせ方まで理解が進んでいないので間違える問題も多いと思います。間違えた問題についてしっかり復習することで足りていない知識が明らかになります。間違えた問題を足がかかりに知識を補っていきましょう。
AWSのイベントに参加する
この期間の間にいくつかAWSのイベントに参加しました。AWS サミット、AWS Builders Online Series 、AWS Innovateなどなど。これらのイベントは直接的には認定試験とは関係ないのですがイベントで色々なアーキテクチャや考え方に触れることで、ぼんやりしか理解できていなかった概念が具体例を見ることで理解が深まります。
AWSサミットで聴いたS3のパーティションの話は本試験で性能の観点で出題されました。AWS Buildersで聴いたオブザーバビリティ(可観測性)で説明されいたX-Rayについても本試験で出題されました。X-Rayは参考書でもほとんど記述が無く、練習問題にも出てこなかったサービスです。AWSのイベントに参加していたからこそ身に付けられた知識で正解できたと思います。
まとめ
私がソリューションアーキテクトアソシエイトを取得までに行った学習について解説しました。最速でAWS認定を取得するには向かないと思いますが、現場で実際に使える知識としてAWS認定を取得する方法としては悪くないと思います。Skill Buildersのサブスクリプションで費用は掛かりますが、スキルアップには必要な出費かなと私は思います。
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