2024/7/18にオンライン開催されたAWS Builders Online Seriesに参加しました。参加した感想と各セッションの概要をご紹介したいと思います。オンデマンドで配信されているので興味を持ったセッションを視聴してみてはいかがでしょうか。

Builders Online Seriesとは
以下の通り、AWS初心者向けのオンライン学習イベントです。Cloud Questの復習と生成AIとモダンアプリケーションについて学びたいと思い参加しました。
初心者を対象とした AWS の基礎を幅広く学ぶことができるオンラインイベントです。AWS 基礎、生成 AI、モダンアプリケーション開発の 3 つのテーマにフォーカスし、ゼロから学べるよう構成されています。また、デモを交えた分かりやすい説明により、すぐに実践に役立つ知識を習得できます。
公式ページ
セッション内容
セッションの一覧は以下の通りです。基調講演の他に基礎が3セッション、生成AIが4セッション、モダンアプリケーションが5セッションの合計13セッションの長丁場でした。
- KEY-01: AWS をはじめよう!だれもが可能性を追求できる環境
- AWS 基礎 – 90 分で学ぶ!AWS 超入門 2024
- BOS-01: 90分で学ぶ!AWS 超入門 2024 1 – さぁ!AWS をはじめよう! (Level 100)
- BOS-02: 90分で学ぶ!AWS 超入門 2024 2 – さぁ!AWS を使ってみよう! (Level 100)
- BOS-03: 90分で学ぶ!AWS 超入門 2024 3 – さぁ!AWS を活用しよう! (Level 100)
- 生成 AI 実践入門 – Claude 他、さまざまなモデルを活用!〜生成 AI アプリが 1 日で作れる?〜
- BOS-04: 生成 AI コワクナイヨ!AWS マネジメントコンソールで始める Amazon Bedrock (Level 100)
- BOS-05: Builder なら API で Amazon Bedrock を使ってみよう!超簡単 API コールの手ほどき (Level 200)
- BOS-06: 明日からすぐに使える自分で作る生成 AI アプリケーション〜Chat with your document〜 (Level 200)
- BOS-07: 業務で利用できる生成 AI ソリューションのデプロイと実装一緒に覗いてみよう (Level 200)
- モダンアプリケーション開発の基礎
- BOS-08: はじめてのコンテナワークロード – AWS でのコンテナ活用の第一歩 (Level 200)
- BOS-09: はじめてのサーバーレス – AWS Lambda でサーバーレスアプリケーション開発 (Level 200)
- BOS-10: AWS ではじめるオブザーバビリティ – システムのどこで・何が・なぜ起こってるのかを理解する (Level 200)
- BOS-11: AWS Amplify ではじめる Webアプリケーション開発 (Level 200)
- BOS-12: SaaS ビジネスモデルの理解と、AWS を用いたサービス価値向上のアプローチ 〜生成 AI に触れて〜 (Level 200)
9:00から始まって、30分講義10分休憩をひたすら繰り返します。案内されていたスケジュールでは各テーマの間は20分の休憩だったのですが、実際には10分の質問コーナーがあったため、実質10分休憩でした。昼ごはんを食べる暇もなく1日AWS漬けで頭パンクしそうでした!
その10分休憩の間に#AWSBuildersを付けてXで投稿していたので実質休憩なしで一日が終わりました。私はノート派なので講義中にノート取って、10分で投稿用にまとめて投稿していたので大変でした。
KEY-01: AWS をはじめよう!だれもが可能性を追求できる環境
印象に残ったフレーズは”所有から利用“。インフラを所有するのではなく使いたい分だけすぐに使えるというのは確かに”所有から利用”に変わってきている感じました。
- インフラストラクチャーもアプリと同様に全てコードで表現できる
- 設計=実装となり、同じ環境を新たに作るのも容易
- 世界に33リージョンありどのリージョンでも同じように動かすことができる
- 失敗しても大丈夫! 他の人に影響は与えないし、いつでも削除できるし作り直すこともできる。
JAWS-UGというユーザグループがあるという情報も興味が沸きました。AWSアンバサダーを目指すには人との繋がりがポイントになりそうなのでコミュニティに参加してみようと思いました。
BOS-01: 90分で学ぶ!AWS 超入門 2024 #1 – さぁ!AWS をはじめよう! (Level 100)
学べるサービス: アカウント作成, IAM
AWSを導入する価値3選
- スモールスタートできる
- 必要なときに必要な分だけ使える
- アイディアから実装までの時間を短縮できる
「マネージドサービスを使うことで “差別化になりづらい差別化” をAWSが行ってくれる。」という点が興味深かったです。RDSを使えばレプリケーションや自動バックアップなどやる必要はあるんだけど、やるのは大変、やってもユーザー体系に直結するかと言えばそうでもない機能をAWSが引き受けてくれるというのは大きなメリットだと感じました。
このセッションではIAMユーザーの作成をデモをしていました。ユーザー管理のベストプラクティスについては私も記事にしたので参考にしてみてください。

BOS-02: 90分で学ぶ!AWS 超入門 2024 #2 – さぁ!AWS を使ってみよう! (Level 100)
BOS-03とまとめます
BOS-03: 90分で学ぶ!AWS 超入門 2024 #3 – さぁ!AWS を活用しよう! (Level 100)
学べるサービス:Amazon VPC, Amazon EC2,ELB
VPCにパブリックサブネットとプライベートサブネットを作成して、パブリックサブネットにEC2、プライベートサブネットにRDSを配置して、WordPressでブログを作成するデモでやっていました。私はAWS Technical Essentialsをやっていたので内容についていけましたが、全くの初心者が見ても何をやっているか良く分からなかったのではないかと思います。VPCのサブネットの設定などはもう少し解説があった方が良かった気がします。
BSO-01~BSO03はオンデマンドで巻き戻しながらハンズオンをするのが良さそうです。それぞれアンケートに回答すると資料をダウンロードできます。資料の中にデモで使用していたコマンドも載っています。AWSは座学では身に付きません。実際にマネジメントコンソールで手を動かしてみましょう。
BOS-04: 生成 AI コワクナイヨ!AWS マネジメントコンソールで始める Amazon Bedrock (Level 100)
学べるサービス: Amazon Bedrock
生成AIの開発の難しさは以下の通り。
- 進化が早い
- インフラの構築と維持が困難
- セキュリティが不安
Amazon Bedrockでその難しさを解決できます。
沢山のモデルを容易に切り替えることができるのは大きなメリットだと感じました。
- 使えるモデルが多い。モデルの切り替えが容易なので比較検討しやすい。
- サーバレスのためインフラの維持が不要でコストを抑えられる
- セキュリティが担保されている
- データは学習に使用されない。
- データはリージョン内に留まる。
- データがプロバイダにわたる事は無い。
- VPNなどプライベートなネットワークで利用可能。
生成AIの基本的なパラメータについても解説がありました。
いずれも値が大きくなると回答の幅を広げられます。
- Temprature: 低いほど冷静に確率が高いトークンを採用
- Top p: 確率の高い上位p%から採用
- Top k: 確率の高い上位k個から採用
このセッションでAmazon Bedrockで使う生成AIのモデルの有効化を解説しているので興味がある人は見てみてください。リージョンに注意です。東京リージョンだとClaude 3.5とかはまだ使えないです。
BOS-05: Builder なら API で Amazon Bedrock を使ってみよう!超簡単 API コールの手ほどき (Level 200)
学べるサービス: Amazon Bedrock
生成AI開発の重要ポイントは以下の通り。まさにその通りだと思いました。
- 素早く始める
- カスタマイズする
- 展開し、フィードバック・改善を繰り返す
BedrockのAPIを動かす方法は3種類。SDKはクラウドシェルから実行可能という点は初めて知りました。マネジメントコンソールで作業していて何か軽く動かしたいときなどに便利そうです。
- マネジメントコンソール
- CLI
- SDK
このセッションではデモでAmazon BedrockのAPIを動かす方法をやっていました。興味がある人は見てみてください。
BOS-06: 明日からすぐに使える自分で作る生成 AI アプリケーション〜Chat with your document〜 (Level 200)
学べるサービス: Amazon Bedrock
生成AIが苦手な分野。
- 最新情報
- 出力の制御
- 正確な回答(ハルシネーション)
確率で文章を生成するためハルシネーションはどうしても発生してしまう。ハルシネーションへの対応の1つとしてRAG(Retrieval-Augmented Generation)がある。RAGは関連するドキュメントをプロンプトと併せて入力することで精度を上げる手法。
RAGを実現する方法。
- Amazon Kendraなどのエンタープライズ検索システムを使用
- ベクトルDBを使用
- Knowledge base for Amazon Bedrockを使用
- Knowledge base for Amazon BedrockはRAGのネイティブサポートを提供します
Chat with your documentを使用するとDBなしでRAGをためすことができます。プロンプトとともにファイルをアップロードすることでファイルの内容を使って回答してくれます。
- pdf、md、txt、html、csv、docx、xlsxに対応
- ファイルサイズは10Mまで
- 画像は未対応
- 表も正しく読めない可能性がある
- まだ東京リージョンでは使えない
このセッションではハルシネーションとRAGについて解説しています。理解できていない人は見てみると良いと思います。Chat with your documentのデモを見るとRAGでハルシネーションをどのように解決するかが理解できます。
BOS-07: 業務で利用できる生成 AI ソリューションのデプロイと実装一緒に覗いてみよう (Level 200)
学べるサービス: Amazon Bedrock
生成AI利用促進に必要なポイント。
- 利用状況のモニタリング
- セキュリティ
- ユースケースの洗い出し・検討
Generative AI Use Cases JP (略称:GenU)はAWSが提供する様々なユースケースに対応した生成AIアプリケーションです。GitHubで公開されており誰でも自由に使うことができるそうです。
GenUの特徴。
- 10分でデプロイ可
- 従量課金
- エンタープライズ利用可
- 様々なユースケースに対応した機能が使える
- Lambda、Cognitoで認証必須
- CloudWatchでモニタリング可
現場での利用促進のためにユースケースやプロンプト集を作ろうと思っていましたが、GenUを導入すれば必要なものはすべて揃っている感じでした。
まだ私は学習が追い付いていないので理解できていませんが、Cloud9で実行できるそうです。デフォルトではセルフサインアップが有効になっているので安全に使用するためには無効化推奨とのことです。
このセッションではGenUの動かし方と実際に動いている画面をデモで見せてくれます。生成AIアプリケーションがどんなものかをイマイチ理解できていない人は見てみると良いと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか? 『AWS 基礎 – 90 分で学ぶ!AWS 超入門』ではIAM、VPC、EC2、RDS、ELBなど超基礎の部分を実際に動かしてためすことができます。これからAWSを学ぶ人には良い入り口だと思います。『生成 AI 実践入門 – Claude 他、さまざまなモデルを活用!〜生成 AI アプリが 1 日で作れる?〜』では生成AIの用語からAmazon Bedrockのモデルの有効化やRAGの解説、GenUという具体的な生成AIアプリケーションなど幅広く解説してもらいました。AWSで生成AIをどう使えば良いのかを知りたい方はぜひ見てみてください。
長くなってしまったので、モダンアプリケーションについては別の記事にしようと思います。

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